<第15号> Commission Agentとの契約のポイント その3報告
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グローバル市場開拓 メルマガ
<第15号>
Commission Agentとの契約のポイント その3報告
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こんにちは
グローバル市場開拓メルマガ 発行責任者の古白です。
アダム・スミス『国富論』の「神の見えざる手」。
自分たちの利益を追求していくことが社会の富を生み、
そして分業が生産性を高めるといったようなことが書いてあると昔習いました。
アダム・スミスは1723年にスコットランドで生まれ、
1765年にはワットが蒸気機関を発明し、
イギリスで産業革命が起こります。
今私たちはその社会の延長線上にいます。
今は第四次産業革命・インダストリー4.0の時代とも言われます。
アダム・スミスは、経済学の父と呼ばれています。
商業の地位は飛躍的に高まり、
経営学という学問も誕生し、いかに富を最大化するか、
といったことが研究されマーケティングやマネジメントも学問になりました。
しかし、アダム・スミスはマーケットを自由放任にして、
利益の追求をすべきだという考えではありませんでした。
マーケットに委ねるが故に、司法行政、公共の重要性も
合わせて唱えていました。
今、地球環境が破壊され、
すべての人類にとってSDGsが認識されています。
一方で今日も、アマゾンの森林火災が大きなニュースになっています。
グローバルな時代、
マーケットに任せることにより、ますます富は拡大していきます。
それと合わせて、私たちの環境は破壊されていきます。
司法行政そして公共の役割が重要だと思います。
さて、本号の内容です。
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<第15号>
Commission Agentとの契約のポイント その3報告
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売買に介在しないCommission Agentには、通常、末端顧客への販売後、
活動の対価としてCommissionを送金することになります。
そのCommissionは、日本円で払う場合でもUSドルで払う場合でも、
当然送金が発生します。
よりストレートな表現をすると、
キャッシュが日本から海外に出て行くことになります。
Distributorが売買に介在する場合は、Distributorがお金を支払う側で、
日本側はお金を受け取る側です。
そしてそのお金の流れは、商品の対価であり、
書類(シッピング・ドミュメント)も残っているので、
お金を払う方も、もらう方も、問題になることはありません。
しかし、Commission Agentに支払うCommissionの場合、
その送金手続きだけを見てしまうと、日本からキャッシュが
海外に渡っていることになるので、
当然、日本の行政にとっては、「あやしい送金」ではないかどうかを、
チェックする対象になります。
もし「あやしい送金」と思われてしまったら、
海外の市場開拓を海外代理店に任せた対価としてのCommissionで
あるにも関わらず「交際費」として損金算入できなくなってしまう
恐れがあります。
そういったことにならないようにするためも、
Commission Agentとの間の契約書に、
委託する業務と対価の内容をしっかりと記載しておく必要があります。
もし税務署から海外送金について問い合わせを受けても、
契約書を見せれば、「あやしい送金」ではないということを
理解してもらうことができます。
ところが、本当に「あやしい送金」をしている方々も
そういったことは当然熟知しているので、
きちんと契約書を作っています。
実際に契約書に記載してある活動を、している、していない、に関わらず、
海外に送金する目的だけでそういった契約書を
作ってしまうこともできるのです。
したがって、契約書だけでは十分ではないと言えます。
Commissionを支払うにあたって、代理店がそのために
「具体的に」どのような活動をしているのか、
を証拠として残しておくことは、日本側にとっても
相手側にとっても重要となります。
もちろん、Commission Agentとのコレポン(電子メールでのやりとりなど)が
あれば、それだけで十分な証拠となりますが、
さらにもう一歩踏み込んで、
「月一回の活動内容の報告」や「市場調査やプロモーション活動の報告」
いったことも代理店との間で契約書上合意しておくと、
代理店の役割が明確になり、代理店にも活動をしやすくなり、
そして税的な面での対応もしっかりできることになります。
「取引が始まる前に、報告義務なんて・・・」と
思われるかもしれませんが、Commission Agentとの契約では、
この報告の条項の重要性は特に高いです。
本号の内容は以上です。
引き続きよろしくお願い致します。