<第13号> Commission Agentとの契約のポイント その1代理権

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グローバル市場開拓 メルマガ
<第13号>
Commission Agentとの契約のポイント その1代理権
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こんにちは
グローバル市場開拓メルマガ 発行責任者の古白です。

東京オリンピック開催まで1年を切りました。

ホテル不足、夏の暑さ、通勤ラッシュ、
など、いろんな問題が話題とされてきましたが、
泣いても笑ってもあと1年。

日本ならではのソフトパワーで課題を解決し、
素晴らしいオリンピックになると信じています。

さて、オリンピックに向けてもう一つの大きな話題が
テクノロジーです。

オリンピックを目指して、
自動運転や5Gといった次世代技術や、環境技術など
の導入がハイピッチで検討されています。

特に5Gについてはスポーツをはじめとする
様々なイベントの観戦の仕方を変える可能性があります。

VRやARといった技術の活用も相まって、
これまで考えられなかったような、ヴァーチャル空間での
個人としてのスポーツ観戦の楽しみ方も生まれるかも知れません。

文化も、観光も、技術も、全部含めて
「おもてなし」。
日本のいいところを世界に発信するチャンスであることは
間違いありません。

さて、今号よりCommission Agentについてご紹介させていただきます。

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<第13号>
Commission Agentとの契約のポイント その1代理権
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本メルマガ第4号で、DistributorとCommission Agentの違いを
ご説明させていただきました。

Commission Agentの場合は、売買に介在するか否かという点で
Distributorと大きな違いがありますが、「販売代理権を付与する」
という点ではDistributorと同じです。

Commission AgentとSales Representativeが混同されることが
ありますが、Sales Representativeは一般的には営業行為を代行する個人であり、
Sales Representativeに特定のテリトリーの販売代理権を付与する
ことはまずありません。

Sales RepresentativeとCommission Agentを混同して、
簡単に個人に販売代理権を与えることは要注意です。

例えば、インドの個人A氏から、突然メールで樹脂12トンの引き合いが来たとします。

1)末端顧客はインド最大手メーカーB社で、
毎月12トン、購入したいと言っているから、正式に販売代理権に任命して欲しい。

2)B社がインド国内の他の会社に同様の引き合いを出すと、
お互いにとってメリットがないので、対象製品のインド市場における
独占販売代理権をA氏に付与して欲しい。

3)B社は日本から他社の製品も輸入しており、一緒に船積みするので、
EXWで購入したいと言っている。そのため、価格や取引条件は
B社と直接話をして欲しい。

4)B社への販売の都度、A氏に販売価格の10%をコミッションとして
支払って欲しい

と言ってきたとします。
どうやら、B社からの引き合いは真実のようです。
なお、当社は、インド向け輸出実績はなく、
B社からの引き合いも初めてです。

この場合、A氏に独占販売代理権を付与するCommission Agent
の契約を締結すべきでしょうか?


きっと、B社はA氏の存在にかかわらず、
当社の樹脂12トンを購入したく思っていて、たまたまA氏に声をかけた可能性が高いです。
一方で、B社からの引き合いは初めてであるとこと、
今後、B社との取引を拡大していく上で
B社とつながりを持っているA氏の存在は大切にしたいところです。

この場合、当社がA氏と契約すべきは、独占販売代理権の契約ではなく、
B社向け販売に関する契約についてであるべきです。

一方、A氏の立場からすると、大手メーカーB社が購入したいと言っている
製品だから競争力がある製品であるに違いなく、もしかしたら他社にも
販売できる可能性があるから、この機会に独占販売代理権を得ておきたい
と考えるはずです。

Commission Agentの場合、取引形態の性格上、
比較的規模の小さい、信用力のない企業と契約することが多いです。

しかし、「販売代理権を付与する」ということの意味をよく考えずに、
インド向け市場は未開拓だからという理由で、
A氏の市場開拓能力をよく分析せずに、相手側からの要求に応じて
A氏に独占販売代理権を付与してしまうと、
将来の自社の市場開拓の可能性を制限してしまうことになります。


このように「代理権の付与」という点では、
DistributorでもCommission Agentでも同様に考え、
対象市場を、この会社に任せていいかどうかということを、
十分考えるべきであると言えます。


今号の内容は以上です。
引き続き、よろしくお願い申し上げます。

 

2019-08-11 | Posted in Mail Magazine Back NumberNo Comments » 

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