<第8号>Distributorとの契約のポイント その4フォーキャスト
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グローバル市場開拓 メルマガ
<第8号>
Distributorとの契約のポイント その4フォーキャスト
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こんにちは
グローバル市場開拓メルマガ 発行責任者の古白です。
朝鮮半島と中東という二つの大きな国際政治の舞台があります。
代理戦争という形で、この二つの地域が国際社会の抱える矛盾を
吸収してくれていたという側面があります。
もちろん、そのような状況が続いて良いはずはなく、
いつか解決されなければなりません。
そして、今、トランプ大統領の、予測不能な動きに合わせて、
大きく国際政治が動いています。
トランプ大統領による、突然の北朝鮮の訪問と、イランとの一触即発の対立は、
アメリカが二つの大きな舞台の一方で、
これまでにない大きな動きをするならば、もう一方とは、
安定した状態になくてはならないということを意味しているように感じます。
日本が韓国に敵対的な姿勢をとることは、
当然、反日感情を高めます。
反日感情は、中国、北朝鮮、韓国の少なからぬ人にとって共通の感情です。
国際政治の安定のために反日感情が重要な意味を持つことがあります。
エネルギーの対外依存度の高い日本と、産油国イランとが、
これまでの長い歴史の中で、官民で有効な関係を築いてきたといえども、
日本とアメリカとの間には軍事同盟があります。
国際政治の動きは、国際ビジネスに大きな影響を与えます。
今回の動きは、これまでにない規模の大きな影響を導く可能性もあると思います。
グローバルビジネスに携わる人にとって、
政治が動いても、人の心は動かない、そんな人間関係を
相手国のパートナーと築くことがとても重要です。
さて、第8号の内容です。
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<第8号>
Distributorとの契約のポイント その4フォーキャスト
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日本での国内ビジネスは、景気含めて、様々な要因に左右されます。
そして海外とのビジネスは、国内のビジネスよりももっと多くの、
様々な要因に左右されます。
例えば、イランが経済制裁を受けたことによって、
イランに輸出する貨物がイランで通関できなくなったという話はよく聞きます。
ベネズエラがわずか数年で、豊かな産油国から、
ハイパーインフレとそれがもたらす高貧困率を抱える債務国に変わってしまい、
順調に伸びていた対ベネズエラ輸出が、
一瞬のうちにゼロになってしまったという話もあります。
韓国がEUとFTAを締結したことにより、
日本からの輸出競争力が韓国の競合よりも相対的に低下し、
韓国製品に切り替えられてしまったという話もあります。
前号でご説明させていただいた為替の問題もあります。
このように、販売数量のドラスティックな変化が起こることは「まれ」な
国内ビジネスとは違い、グローバルビジネスでは、
注文が突然亡くなったりすることは、決して珍しいことではありません。
その一方で、海外の情報は日本ではなかなか手に入りません。
そのため、急激な海外向け出荷量の変化で国内工場の稼働状況が大きく変動し、
人員体制や原材料調達も変動し、
結果として国内ビジネスにも大きな影響を与えてしまうことがあります。
そのため、突然の環境の変化に対しても、ある程度そのことを予測して、
対策を講ずることができるような仕組みを、海外のパートナーとの間で
合意しておくことは大変重要です。
その一つの手法としてローリング・フォーキャストがあります。
多くの企業は、4月に1年間の購入予定数量をフォーキャストとして入手した場合、
その購入予定数量を1ヶ月毎に見直すということは行いません。
むしろ、4月に提示したフォーキャスト通りの数量を、翌年3月までに約束通り引き取ってよ、
という発想になりがちです。
一方で海外の販売代理店としては、国内の大きな環境の変化のために、
必要としない数量を在庫として押し付けられては、たまったものではありません。
こういった場合に備えて、1年分のフォーキャストを「毎月」提示するという、
ローリング・フォーキャストを合意していれば、
変化を早めに察知して、お互いにコミュニケーションによって、
危機を回避することができる可能性が高まります。
海外のDistributorとの契約は、通常、取引開始前に締結します。
その段階で、「万が一」の環境の変化に双方が対応できるような内容を
合意しておくことができるかどうか?
それが、グローバルビジネスを長期的な視点で成功に導くことができるかどうかを、
大きく左右することになります。