Competition

昔、新宿に家電量販店がいくつもあることを不思議に思ったことがありました。似たような店が二つもあっても、両方行く客は少ないんじゃないかと。その後、店舗が集積していた方が集客力があることがわかりました。その時の私なりの理解は、新宿に家電量販店が集積するようになったら、今は秋葉原に行っている客もたまには新宿に行くようになるのだろうな、という感じでした。東京の各街の莫大な商圏人口など知る由もなかったし、旗艦店の考え方も知りませんでしたので、どうしても競争を前提で考えるしかありませんでした。

一方で、いまだに、すでにコンビニがあるところに新たなコンビニを出店することについては競争としか思えません。確かに、店舗数が増えればフランチャイザーの売り上げとしては伸びますし、陳列する商品の全体量も増え、配送効率も上がります。しかしすでにファミリーマートが出店しているところにセブンイレブンが出店して、コンビニが2店舗になったところで、地域の顧客の数が倍になるわけではありません。現場ではコンビニ同士での客の奪い合いとなって消耗戦になってしまいます。資本主義的社会の強者と弱者の論理を感じます。

競争とは何か?家電量販店の競合同士が隣り合って立地すること、コンビニが隣り合って立地することの違いは何か?

競争によって、進歩が生まれます。競合相手に負けまいと知恵をしぼることで新たな技術やアイデアが生まれます。大型捕食動物に襲われるリクスがなくなった草食動物がゆっくりと草を食べると、草の根まで食べ尽くして次の草が生えず、草原は砂漠になってしまいます。ビジネスの世界においても、ビジネス環境を維持するためには外部の脅威は不可欠と言えます。そう考えると競争は必然。

ITの技術については、ハッカーとの競争という新たな脅威があります。外部からの侵入を防ぐために二要素認証として顔認証の研究が行われていますが、顔認証の研究が進めば進むほど、それを破る技術もどんどん進んでいきます。これは終わりのない競争。ただ、顔認証技術が発展するためには、それを破る技術の発展も不可欠です。終わりがない競争だからこそ、技術はどんどん発展する。喜ばしいことかもしれません。

核の傘も競争です。すでに地球を何回でも破壊できるだけの核が配備されているにも関わらず、新たな脅威がある限りは、核開発を止めることができません。これも終わりの競争ですが、決して喜ばしいことではありません。

競争は、必要です。競争しないことも必要です。競争をしながら、競争をしないこと。そのためには、循環を受け入れるしかないと思います。栄枯盛衰、盛者必衰の理、形あるものいつか滅びる、戦争と平和。

競争っていうのは結局、プラスマイナスがゼロっていうことだろうな、と思います。

2019-05-18 | Posted in BlogNo Comments » 

Related article