Population

マルサスは人口論で、人口の増加に土地が追いつかず食糧が不足することを主張しています。

元アメリカ駐日大使で日本研究家のライシャワー氏「ライシャワーの見た日本」(1967年徳間書店)の第二部の冒頭に『今後数十年間の日本の運命は、農業ではささえきれない人口増加という重荷を、日本の工業が引き続き負担できるかどうか、その能力にかかっている。』と記載されています。

人口の増加は「重荷」。今もグローバル社会では急激に伸びている世界の人口が問題となっています。

しかし今、日本が直面しているのは少子高齢化。人口の減少が大きな課題で移民の方々の力を借りようとしています。

かつては人口の増加を大きな問題として、海外への移民を奨励した国が、依然としてその当時よりもはるかに多い人口がいながらも、人口減少を問題としています。

なぜこうも、正反対になったのか?

その質問に対しては、普通は社会保障の問題だと考えると思います。人口が増える条件で構築した社会保障制度が、人口が減少すると成り立たなくなること、そしてそれが政府の財政を大きく圧迫すること。

しかし、すべての根底に、日本がかつては想定していなかったほどの人口を抱えられるほど社会が発展したということが言えます。

例えば農業一つとっても、化学肥料の発展で1平米あたりの生産性は有機肥料しかなかった時代と比べて飛躍的に向上しました。

プラスチックパッケージの開発、冷凍保存の開発、電子レンジの開発など、鮮度を失わずに美味しい食材を食べることができるようになりました。

グローバリゼーションが進み、発展した工業で外貨を稼ぎ、そして大豆やトウモロコシなどの穀物、さらには肉や魚も安価に輸入できるようになりました。

人口増加に耐えられるようになり、豊かになり、人口が増加。

人口増加している間に化学物質で地球を汚染。

少子高齢化で人口減少。

SDGsが唱えられ、リデュース、リスース、リサイクルの3Rや循環型社会の必要性が誰もが認識し、再生可能エネルギーが普及し、有機農業が見直される。

今、必要なのは、移民を増やして経済水準を保つことなのか、それとも経済水準が下がったとしても、人口増加を問題としていた頃のように自然と共生するか?

あらゆることが、必要必然で、望ましい方向で決まっていくものだと思います。

2019-05-10 | Posted in BlogNo Comments » 

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