Sales
営業とは、製品を売ることです。
かつては、訪問販売とか、飛び込み営業とかそういった形態があり、営業といえば、戦士のようなイメージでした。将棋でいえば最前線で戦う「歩」。営業が仕事を取ってこなければ、会社は回りません。
しかし今、訪問販売や飛び込み営業といったことはメッキリ減りました。その代わりに「マーケティング」というアメリカ型の考え方が普及して、営業は飛び込むよりもクロージングすることが役割となり、そのために顧客との関係を創造することが重要なテクニックとなりました。
形は変わっても、戦士としての営業に求められるのは常に数字です。そしてその数字が収入に跳ね返ってきます。営業は休みなく結果を追求する。
売れる営業マンの特徴は、数字をあげていること。そのことは共通していると思います。一方で、売れる営業マンがガムシャラに働いているかというと、必ずしもそうではないと思います。
営業マンにとってはトークが武器。でも売れる営業マンが話がうまいかというと、必ずしもそうではありません。売れる営業マンがよくしゃべるかというと、必ずしもそうではありません。
営業マンにとっては製品を買ってくれるお客様は神様。でも、売れる営業マンが、客にところにせっせと足を運んでいるかというとそうではありません。売れる営業マンが顧客の接待をしたり、必死になっておべんちゃらを言っているかというとそうではありません。むしろその逆。
売れる営業マンは、何をしているでしょうか?何を考えているでしょうか?
それはたった一つのこと。
顧客が何をしたいか?を考え、その顧客が何をしたいか?を、自分の商品で実現する方法を追求しています。
売れる営業マンは、自分のことはあまり喋りません。その代わり、よく聞きます。顧客から情報を引き出します。なぜならば、その情報に、自分が探す答えのヒントがあるからです。
売れる営業マンは、引き出した情報の中に、「顧客がこうしたい」という情報が含まれていても、その通りにはしません。見えているものを実現するのは営業の仕事ではありません。顧客自身が気が付いていないことを、顧客の代わりに発見して、それを実現するのが営業の仕事。顧客自身が分かっているニーズを実現することは、自分以外でもできると思っています。
AIがどれだけ普及しても、営業の仕事はなくならないのではないかな、と思います。AIは、「顧客がこれをしたい」と、教えてくれるようになるかもしれませんが、顧客の潜在ニーズを気づかせて、それを実現するような、全体のプロデュースはできないと思います。
優秀な営業マンがAIを使いこなすようになったら、売れる営業マンと売れない営業マンとの差はものすごく大きくなるな、と思います。