A Slump

何もかもうまく行くということは有りえないと思います。世の中に完璧な人間はいません。だから人は常に挑戦をして、壁にぶち当たり、その度に成長していく。

世の中に完璧な人間がいないのと同じく、一人一人全く同じ能力というのは有りません。だから人は比べることが好き。優劣をつけるのが好きです。そして、劣の側になるよりも優の側に立つことが好きです。その結果、人は努力をする。生まれ持った才能の差を、努力で埋めることができる場合もあればそうでない場合もある。だから才能がないと言ってやめることは悪ではないし、逆に才能がなくても努力を続けることも悪ではありません。

全ての面で、人より優れた能力を発揮する人がいます。それは英才教育の成果かも知れないし、実は影で常に支えている人がいるということがあるかも知れない。そういった人は、壁にぶち当たる経験が少ないかも知れません。それはそれで、不幸かも知れません。そういった人は、本人でそのことが不幸だと思っても、周りにはそのことに気がつく人がいないので、常に孤独だと思います。

陸上競技の場合、すべて自分の記録なので明確だと思います。100mを11秒台で走れるかどうか?その壁を越えられるかどうか、常にそれだけのためにトレーニングを続け、その結果、越えることができる人もいれば、越えられない人もいると思います。もしかしたら最初から簡単に越えてしまう人もいるかも知れません。でも11秒の壁を簡単に越えた人にも、次には10秒の壁が立ちはだかります。

重要なのは、どんな人にも、挑戦を続ける限り壁があるということ。そしてその壁を越えることができるかどうかわかりませんが、壁を越えようとする中でスランプがあるということ。完璧な人間が世の中存在していないということは、今地球上にいるすべての人類は、すべて、何かしらの形でスランプの状態にあると思います。

さて、自分の上司がスランプの状態にあります。上司のためを思うならば、部下はその上司のサポートをするでしょう。上司がスランプの状態を抜けられれば、組織としてより強固になるはずです。それは組織全体にとってもよいこと。でもそれは、上司のためによいことでしょうか?みんなが何かしらの形でスランプの中挑戦を続けている状況の中、自分だけが知らない内に、他の人の力で壁を乗り越えてしまう。

新聞とかニュースで話題になった「そんたく」っていう言葉は、このことではないかなと思います。

自分の子供が受験を頑張っている。自分の子供が志望校に行くために勉強を続けている中、親が裏で力を使って、志望校に合格する。子供はそのことを知らずに、自分の力で合格したと思う。もしそういったことがあったら、それは間違いなく、子供のためにはなりません。親だったら、そう思うはずです。でもビジネスの世界では、この「そんたく」が普通に行われている。

世の中、「そんたく」で出来ています。上司のため、客のため、組織のため、日本のため、地球のため。しかしみんなが、与えられたそれぞれの能力の範囲で一生懸命がんばっているのに、「そんたく」は入りません。「そんたく」は誰のためか。誰のためでも有りません。

このことが、言葉になっている日本ってすごいなあと思います。

そして政界のトップが、気がつかないうちに「そんたく」を受けたことを、きちんと批判できるメディアがあるというもすごいなあと思います。

 

世の中、矛盾で出来ています。北方領土とか、沖縄とか、北朝鮮とか、イランとか。著作権とか検索とか。こういった矛盾をきちんと壁と考えることができるかどうか?解決できない状態をスランプとして捉えることができるかどうか?挑戦を続けることができるかどうか?

それが、とても大事なことだと思います。

壁を乗り越えることは成長。スランプは成長のために不可欠なこと。壁を取っ払うために自分の力ではなく武器の力を使うことは、避けてほしいなあと、心から思います。みんな人間だから。

 

2017-09-24 | Posted in BlogNo Comments » 

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