Life Style
昨日は東京ビックサイトのみらい市にお伺いしました。清水英雄事務所様が作成されたみらいハンドブック含めて、大変たくさんの学びをいただきました。
強く感じたのはライフスタイルの変化。都心から田舎に移住する20代の若者がとても多いと、パネルを見ていたら声をかけていただき教えていただきました。もともと都心で働き、50代を過ぎてから田舎に移住する方はいたのですが、最近は都心で生まれ、都心で育ち、都心で働き、20代のうちに長野県や山梨県の空き家を購入して移住される方が多いそうです。
この展示会でもフォーカスされていたのが、1980年代以降に生まれたミレニアル世代。デジタルネイティブとも呼ばれている世代です。中国でも一時期、80后とか、90后と呼ばれました。最近中国行っていないのでわからないのですが、そろそろ「りんりんほー」とでも呼ばれるようになっているのでしょうか?私は1976年生まれなので、ギリギリ入りませんが、私の子供たちは丁度入ります。そういった意味では、自分自身と自分の子供たちの世代を比較する人たちがこういった○○世代という名前をつけるのでしょう。そういえば私たちも私の親の世代からは、生まれた時から洗濯機もカラーテレビもあって、苦労を知らない世代と言われていたような気がします。
さて、レイチェル・ボッツマンとルー・ロジャースのSHARE(NHK出版)には、こう書かれています。「ミレニアム世代はマザー・テレサ世代とは違う。高給やぜいたくを投げ捨てて理想郷をつくろうという、慈愛に満ちた善人ではない。客観的な指標を見ても、彼らは歴史上その世代にも劣らず負けず嫌いで、ビジネスライクで、野心的だ。だが、親のベビーブーマー世代に共通する現代的な価値観から離れて、祖父母の世代、つまり戦争世代の価値観により近づこうとしている。」この本が発行されたのは2010年。今の時代感覚すると、だいぶ前ということになりますが、それでもまさに2017年の今起こっている事象も、ズバリ言い当てていると思います。
徳島県の神山プロジェクトのような、地方にいながら都心と同じような仕事を実現しつつ、地方ならではの地域コミュニティとの交流や農業などに従事する若者が増えて行くと思います。そして今の若者たちは語学ができます。毎年増え続ける外国人インバウンドにも、地方にいながら外国語で対応できてしまうでしょう。昨日教えてもらったところによると、野沢温泉スキー場の利用者はすでに5割が外国人とのこと。地方の暮らし、地方の暮らしを外国人インバウンドと若者たちが支えるようになると思います。これは間違い無く、良い方法に向かうと思います。
少なくとも、英語だけでもできれば、LinkedinやSlackのネットワークを通じて、世界中のプロフェッショナルから即時に最先端の回答を入手できる時代です。かならずしも都心にいなくても、最前線の仕事ができるでしょう。他の国の言葉もできれば、ツイッターでさらに様々な情報を取ることができます。ネット上の情報は間違いだらけですが、複数の言語から、様々な視点の見解を分析して、何が本当の情報かを自分なりの考えで判断するスキルを今の若者たちは身につけています。我々40代が9時から17時まで働いて、そのあと同僚たちと終電まで社内の飲みニュケーションに時間を費やしている間に、地方の若者が世界中から最先端の情報を入手しながら、我々が想像もできないようなイノベーションをやってのけるかも知れません。
集中管理の時代から分散管理の時代になっていきます。ブロックチェーンのような、分散してサーバや情報を持つ技術が今後も生まれ、そして主流になって行くでしょう。ブロックチェーンが成り立つのは、利用者の個性がそのまま尊重されているからだと思います。それぞれが別々の意図、別々の目的をもって参加し、全体として仕組みが成り立つ。だから管理者不在でも、信頼を背景として秩序が保たれます。
かつてのピラミッド型の組織は、内部での取引コストを指揮命令系統という形で極少化した点にメリットがありましたが、世界中から瞬時に情報を取ることができる時代では、ピラミッド型の組織構造における取引コストという点でのメリットは限りなくゼロになるでしょう。そうすると、ピラミッドの階段を上ったと勘違いしている人は逆に仕事がなくなっていくと思います。マネジメントにおいては、メンバー個々人の力を最大限に発揮するための指導力を発揮することよりも、勝手に個々人の力を最大限に発揮している人たちをうまく同じ方向に導くことの方が重要になるかも知れません。
趣味を仕事にすることが、最も強いですが、ミレニアル世代では、ライフスタイルの中に趣味と仕事が混在しています。だから仕事によって自らのライフスタイルに影響を与えられることを極端に嫌うはずです。OJT等の教育訓練はこれからは難しいと思います。逆に職人のような仕事のスタイルならば、喜んで没頭して、ライフスタイルを適合させていくでしょう。
組織の一員としてではなく、自らのライフスタイルとしての、自分の仕事を確立しないと、我々40代は、ミレニアル世代に相手にされなくなるな、と、昨日のみらい市で強い危機感を感じました。
大きな学びを、ありがとうございます。