繁栄 -prosperity-

トランプ氏が大統領に当選し、毎日いろんな意見をいろんなメディアで見ることができ、

大変勉強になります。

特に社会学的アプローチについては、なるほどと思うことばかりです。

一つの社会の大きな変化を示唆しているということについては、

みなさん意見が一致していて、どうやら間違いなさそうです。

 

さて、社会の変化はさておいて、トランプ氏が一貫して言ってきたことが、

「アメリカは弱くなった。私が再び強くする」

という内容。

 

ブレないところが、さすがですが、

具体的なことを言わなかったことも、さすがだなと思います。

政権は、このたった一つの内容を遂げるために、これから柔軟に考えることができます。

 

保護主義であり、グローバリゼーションからの転換ということについても、みなさんの共通見解ですが、そこはトランプ氏は、その内容を約束はしたわけではなく、ただ排他的な発言を繰り返しただけだと思います。

だから、保護主義政策をとらなかったとしても、「強いアメリカ」が実現できれば、有権者を裏切ることにはなりません。

 

では、どうすれば、「強いアメリカ」を実現できるのか?それには、相対的な評価、つまり敵が必要です。

 

TPPの年内発効はない。それはその通りでしょう。しかし、TPPの最大の受益者は元来アメリカです。トランプ氏は、「今のTPP」を否定しているだけのこと。

 

GDP世界1位のアメリカが、再び「強いアメリカ」になるためには、通常の考え方では、2位や3位の力を弱めることから取り組むでしょう。

 

ビジネスの基本は、「負けないケンカはしない」。

 

だから、普通の感覚では、まずは2位ではなく、3位から取り組むでしょう。

4位や5位を叩いても、有権者は喜びません。

 

いつの間にか、TPPを推進せざるを得なくなり、TPPで後に引けない日本。

トランプ大統領が決まった翌日に、いち早く国会でTPPを承認。

 

トランプ大統領は、大統領選を通じて、カードを切る時間と、いろんなカードを切ることができる柔軟性を手に入れました。

 

TPPはなくなるのではなく、日本にとって、TPPの交渉がかなり難しくなるということが事実ではないかと思います。

 

今、日本が、このタイミングで「TPPや〜めた」といえば、もしかしたらTPPはなくなるかも知れません。言わなければ、アメリカの要求に今更ながら、なぜか譲歩して、再交渉してTPPを締結する、ということになりかねません。

 

それは、間違いなく、トランプ氏の勝利でしょう。トランプ氏は、3位の日本から有利な条件を引き出し、国益につなげることで、国民の支持をさらに得ることになります。そして、たとえグローバリゼーションという結果だったとしても、トランプ氏は、別に有権者を裏切ったわけではない。だから「強いアメリカ」に向けて基盤をかため、さらに大胆な施策を行うことができる。

 

これはもはや政治ではなく、ビジネスです。世界の経済力のシェア争い。こんなことが実現してしまったらCompassionではありません。

 

今、必要なのは、国益ではなく、地球の利益。そのために、各国首脳、特に、これからの世界で主導的な役割を担う習近平国家主席、モディ首相、そして安倍総理の3人が、どれだけトランプ氏ときちんと対話できるかにかかっていると思います。

 

政治に関して、真っ白のきれいなトランプ氏が、ビジネスの延長ではなく、アジアの3人のリーダー達とともに、全世界の平和と繁栄、地球の永続のための政治を行った時、素晴らしい世界が実現すると思います。

2016-11-12 | Posted in BlogNo Comments » 

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