Renoir
オーギュスト・ルノワールの最高傑作と言われる「浴女たち」
そのモデルとなったデデは、ルノワールの次男ジャン・ルノワールと結婚。
ジャン・ルノワールはデデの女優になりたいという夢の影響を受け、
世界的な映画監督としての人生をおくります。
世界的な映画監督となったジャン・ルノワールとは対照的に、
ジャンと離婚したデデは女優としての成功を手にすることができないまま人生を終えます。
しかし、デデがいなければ、「浴女たち」は存在しておらず、
また巨匠ジャン・ルノワールも誕生していなかったでしょう。
ネルソン・マンデラの夫人 グラサ・マシェル。
ネルソン・マンデラ南アフリカ大統領夫人になる前は、
サモラ・マシェル モザンビーク大統領夫人でした。
サモラ・マシェルもまた、モザンビークの初代大統領。
二人の英雄の妻であったことは決して偶然ではないでしょう。
グラサ・マシェルがいなければ、モザンビークも南アフリカも、
今の姿ではなかったかも知れません。
歴史に「もし」は、ありませんが、
もしグラサ・マシェルが大統領になりたいと思って活動をしていたら、
それもまた別の結果になっているでしょう。
人には生まれてきた役割がある。
たとえ夢が果たせなくても、デデは幸せだったではないでしょうか?
ジャン・ルノワールは、デデと離婚した後、ティド・フレールと結婚。
生涯をティド・フレールと過ごします。
デデはジャン・ルノワールと結婚した時の名前カトリーヌ・エスランとして生涯を過ごします。
ジャン・ルノワールがティド・フレールと過ごした日は、カトリーヌ・エスランと過ごした日よりもはるかに長い。
デデも、ジャン・ルノワールも同じ年に亡くなります。
その時にお互いを愛していたのか、愛していなかったのか?
そんなことは重要ではありません。
重要なのは、ジャン・ルノワールが、運命に逆らわなかったこと。
印象派の大家である父の「浮き理論」を忠実に守ったのだと思います。
アメリカの大統領選挙が終盤を迎えています。
ヒラリー・クリントンなしには、ビル・クリントンはなかったでしょう。
ビル・クリントンが大統領として残した功績は大きいですが、
大統領を退任した後も、ハーレムを安全な地域に変えるなど、大きな貢献をしています。
その背後にヒラリー・クリントンの力があることは疑いがないと思います。
ヒラリー・クリントンの公約は、かなり具体的で実現性が見えます。
また、向かうべき方向性も明確。
すばらしいの一言に尽きます。
しかし、人はどこまで言っても、一人の人です。
ヒラリー・クリントンの生まれてきた役割は、大統領にならなくても
果たせるのではないか、と思ってしまうのは私だけでしょうか?
運命には逆らえません。
戦争を知らない世代が政治を担う時代。
オバマ大統領が広島を訪問。
北朝鮮が核を保有して大国の仲間入りを果たそうとしても、
中国が怖くて北朝鮮には手も足も出せないというのが現実。
アメリカ中心の秩序が崩れた中で、古き良きアメリカを唱えるトランプ候補が
支持を受けています。
歴史にもし、はありません。
日本の役割は何か?
ただ一つ、確実に言えることは、
日本がこれから必ずやってくる難しい時代を乗り切るためには、
女性の力が必要でしょう。
その役割を担うのが、
小池知事なのか蓮舫代表なのか、それとも別の人なのか?
私は、今の日本では、まだ
サッチャー首相やメルケル首相ような人よりは、むしろ
表に出てきていない、どこかにいる、デデ・ルノワールのような人だと思います。