世界恐慌 -global depression-
イギリスのEU離脱の日本にとっての最大の問題は円高ではありません。
世界中で国債を売る動きに繋がること。
すでに多くの先進国が史上最低の金利です。
つまり、国債の価格が非常に高い状態。
溢れるマネーがリスク資産に向かわずに安全資産である先進国の国債に向かってきました。
しかし、国債が安全資産でなくなったら、莫大なお金が国債から離れます。
もし少しでもこういった動きが現れると、一番危ないのが日本。
日銀が国債を買い支えられなくなると、一斉に国債の値崩れがおきます。
マイナス金利から一転、長期金利の暴騰がはじまります。
そうなると、日本の財政は国債の利息が払えなくなります。
日本の債務残高は、すでにGDPで232%。
こんな先進国はどこにもありません。
2001年の144%でも、異常と言われていましたが、
アベノミクスで借金をしまくったので、2016年にはこんな前代未聞の数字となりました。
ギリシャよりもはるかに多い。
日本と産業構造が似ているドイツが債務のGDP比75%であることを考えると、
いかに政策がアクセルを踏みまくってきたかがわかります。
ちなみにイギリスは115%。
イギリスがEUから離脱するならば、イギリスの国債は売りでしょう。
じゃ、イギリスよりもはるかに大きい債務を抱えている日本は?
こんな発想になったら、アウトです。
国債を世界中が一斉に売ると、国債は暴落します。
もちろん、国債が売られれば、一斉に住宅ローン金利があがります。
さらに設備投資にも資金がまわりません。
第三の矢である成長戦略は実行できません。アベノミクスは崩壊です。
国債を売って得たキャッシュが向かう先は株もダメ、オイルもダメ。
じゃあ、金(Gold) しかありません。
金(Gold)は高騰するでしょう。大いに結構。金本位制に戻れば貨幣経済は正常化するでしょう。
しかし、金が貨幣価値をさだめるようになるということは、同時に物価もあがることを導くかもしれません。
投資が活性化せず、賃金もあがらないのに物価はあがる。最悪のシナリオです。
まず上がるのは食料品でしょう。
食料品があがると、生活できない人が出てきます。
こんな世界恐慌を日本は高齢化社会で迎えることになります。
世界中で「国債を売らない」という動きをどうやって実現するか?
それが、今の日本がやらなきゃいけないことだと思います。
来週前半が勝負でしょう。
できると信じています。